ジェシカ

気が付くと、布で出来たサンダルで
紐が膝下まで巻いて止める形のものを履いていた。
ギリシャ神話の人が着るような布をたっぷり使った白い服を着ていて、
胸のすぐ下のところで更に細い布を巻いて止めている。
腕に掛かる金髪は細く波打っているが柔らかでつやがあり、
その金色は透けるようだ。
白人だろう。
自分は美しい、という自信があった。
目はエメラルドグリーンだ。
岩場と砂のある場所で、腕を広げて風に向かっている。
すると、目の前にアメリカンインディアンのような格好の男性がいた。
ただじっと私を見ていた。
 
自分と同じような格好の人が回りに何人かいた。
しかし、彼らの肌の色はもう少し褐色がかっていた。
誰かに、「どうしてジェシカの肌はそんなに白いの」と言われた。
私は、得意そうに微笑んだ。
「神の賜物だよ」と誰かが返事をした。
 
いきなり場面が変わって、
なぜか新聞をめくっていた。
キッチンに置いてあるテーブルに朝食があり、
私は新聞片手にイングリッシュマフィンを食べている。
青緑色のだぶだぶのセーターを着ていて、椅子の上に片足を上げていた。
 
また場面が変わった。
私は防寒具を着ていた。
暖炉に、薪をくべていた。
もっと暖かくしなくてはと思って、黙々とくべていた。
ここはロシアなのではないか、漠然と思った。
 
いろいろな場面が出てきたが、全てジェシカだった。
こんな支離滅裂なのは初めてだ。
これ以上のことはわからなかった。