龍とゆか

初めに注意。
私が書いている「前世」というカテゴリのものは、下記CDを聞いての体験です。
ワイス博士の前世療法 (瞑想CDブック)(←クリックでリンクへ移動)
私が見ているのは本当に前世なのか、それとも妄想なのかは
ここでは全く言及していませんのであしからず!
本人は、どっちでも良いと思ってます。
だって、今を生きているのは、今の私だからさ。
 
 
足元を見ると、裸足だった。
足元は、雑草が茂っていてその上に足を乗せている。
私は膝丈より少し短いワンピースのようなものを着ている。
袋の端に穴を開けたような、簡素なものだ。
時代は?と聞くと180年前という。1826年か?
名前は?と聞くと「ゆか」と言う。
目の前に、淡い青灰色の水面が見える。
大きな湖か内湾ではないだろうか。
対岸に木々に覆われた丘が見える。
清々しい空気だ。
右側に曲がりくねった木があり、私はその気に右手を添えて体を支えている。
その曲がりくねった木の奥に、小さな石造りの祠が見えた。
自分が祠の手入れをしたりしている、という感じがある。
と突然、
右脇を強い細い風が通り抜けた。
はっ、とすると、その風は
龍だった。
青白い体、一段濃い色のたてがみが見えた。
私の前を更に横切り、波を立てることなく湖に潜って行く。
長いからだが、私の脇と前を通っていく。
私は、穏やかな喜びに満たされている。
全てを分かってくれているパートナーのように感じている。
龍はこの湖の主であるようで、小さな祠に祭られているものらしい。
なぜ、彼?と縁が出来たかはわからない。
 
そのまま、龍は私を巻き取るようにしながら(私が見えない繭にくるまれて、それの周りを龍がぐるぐる回るようにしながら)空中に運ばれ、
空から村を見下ろしていた。
すると、農作業の格好をした村人が群がっているのが見えた。
中心に、白髪の女性が地面に投げつけられていて、周りの人は斧や鍬などの農具を持ってなにやら騒いでいた。
その白髪の女性は私の母だった。
「お前の娘が来てから、村は雨の降り方がおかしいんじゃ!」
という声が聞こえた。
どうやら、私と龍の縁によるもので雨が季節外に降ったり、
長雨になったりということがあったのかもしれない。
私に縁があった龍は、天候を左右させる力があったのだろう。
ああどうしよう、と思って見ていると
パッと、
一人の農夫が斧を母の首に振り落とし、切断した。
呆然とした顔のままの母の首が、母の体から離れていた。
血が、土に染み込んでいた。
私は空中に居る状態のまま、「あああ」と叫びながら両手で顔を覆った。
泣き叫んだ。
もうどうすることも出来ないことはわかっていた。
私のせいで、母が、とは思ったが、龍のせいだとは何故か思わなかった。
すると、龍が私に「天帝のところへ行け」と言い、そのまま私をどこかへ連れ去った。
 
 
場面が変わり、私は大きな木戸のある玄関前に立っていた。
寸足らずな着物を着ている。
酷く粗末な格好だ。
右手でこぶしを作り、戸を叩いた。
出てきた人に、「私を雇ってください」と言った。
その人は、私を見た瞬間驚いたような険しい顔になり、中に通してくれた。
 
中に入ると、黒い束帯姿の男性(←クリックでまさにその格好の人が見られます)の前に座らされた。
その人は、仕事帰りか何かであったようだが、私と会ってくれたようだ。
外回廊から、砂利の庭に座る私を見下ろしていた。
私は、そこに居ることが出来るようになったようだ。
彼は、天皇付きの陰陽師だという印象があった。
 
場面が変わり、私は緋袴の巫女装束をしていた。
隣に、先ほどの陰陽師の男性がいる。
彼は私の師匠として、教育をしてくれていたようだ。
と、突然、彼が私の右手の上に手を重ねてきた。
真顔のまま、私に顔を近づけてくる。
私は自分の顔が火を噴くかというほど赤くなっているのが判った。
何かの期待と、困惑で頭が一杯になった。
彼は私の顔まであと10cmか、というところで動きをぴたりと止め、
真顔のまま、
「私に惚れたな」
と言った。
返事をするまでもなかった。
「人でありたければ、私を愛してはいけない」
と静かに言った。
すぐ外の一段低いところで、私の龍が様子を伺いながらとぐろを巻いているのを感じていた。穏やかに私を見守っているのが伝わってきた。
 
その後も、陰陽師の男性には色々教わったようだ。
「怒ってはいけない」ということ。
感情が龍に伝わり、天候に影響が出るかららしい。
「愛するなら龍を愛せ」ということ。
人間の一人の男に愛情を注ぐことをしては、感情のバランスが崩れ
龍との関係が上手く行かなくなるためらしい。
「神であってはならない、人である」ということ。
どんなことが起きようと、何を出来たとしてもそれを忘れては絶対にいけないと言うことを叩き込まれた。
謙虚になれということだろう。
 
私は巫女として一生を終えたのだろうか。
そこまでは分からなかった。
「もう、お前のために私と分かる大きな力を現すのは控えよう」と言う龍の声を聞いた。
 
 
ふと思いついたんですが、
私が作家だったらネタに事欠かなかったかもなあ・・・。
まあ、ありがちなお話ネタになるやつを除いても
前世のネタで3本〜5本ぐらいは話を書けたんじゃないだろうか、と。
ま、今は全然そんな職業じゃないので、良いんですけど。