1960年代サーシャ

今回は、ハート型の鏡に入りました。
段階を追ってやっていると、
沢山の前世などが映った鏡どもの前に立つことになるんだが、
私の場合はだいたい次の瞬間にひとつの鏡の前に立つ。
で、今回はハート型。
丸い木のボールでハートの鏡に縁取りしてある。
はっきり言って、鏡の前に立ったとき
「だせぇ」
と思った。
ダサすぎる。
中途半端ではなく、もっと思いっきりポップにしたらいいのにと思った。
 
入ると、ショッキングピンクのハイヒールが目に入った。
つま先のところにご丁寧にピンクのポンポンがついている。
8〜10cmはあるんじゃなかろうかという超ハイヒール。
頭悪そうな靴だ。
それを履いていて、さらに縞々のニーハイソックスを履いている。
太ももが見える超ミニスカートで、そのスカートはふわふわ。
昔のア二メに出てたよ、こういうスカート。
クリーミー・マミとか。
今の人は知らないかしら。
 
名前を聞くと、サーシャという。
私は茶色のロングヘア(腰近くまである)、前髪はぱっつんだ。
左手でマイクを持って、なんか歌っている。
右手でお客さんに手を振っている。
歌は特にうまくないようだ。
場所は、夜のバーで、余興で歌わされているらしい。
そこで雇われていて、ウェイトレスもするし、なんでもしていたらしい。
白人で、手足が長い。
欧米で見かけるステージに棒があり、それを使ったストリップもしていたようだ。
後は、雇い主の禿でいかつい男に殴られたりもしていた。
右目のところが青あざになって、「も〜、お化粧で隠さなきゃー」とか言っている。
そこで働くことにそんなに嫌だとか、罪悪感とかはなかったみたいだ。
 
場面が変わり、私はまだ幼かった。
同じバーにいて、母がいた。
母はカウンターに座り、私を見下ろし微笑んでいた。
真っ黒な長い髪が腰まであった。
ぴっちりしたミニスカートに革のジャケット、黒のストッキングをはいていた。
すごくきれい、と思って母を見ていた。
しかし、母は私をそのバーに置いて、蒸発してしまったらしい。
そんなことがあったが、私は母を恨んだりしていなかったようだ。
 
場面が変わって、私は若い男に手を引かれてバーの外に出ている。
ジーンズのジャケットを着ており、ジャックという名前のようだ。
「君みたいな美人があんなところにいたら食い物にされて終わりだぞ」
「どうせ体を売ったりもしたんだろう」
「あそこに老人が何人いる?死ぬまであんなところで生きられると思うのか」
といわれた。
私は美人だったようだが、ちょっと思考能力に欠けていたようだ。
私は「体は見せてるだけよ!」と怒っていた・・・オイオイ(−−;
そのまま、私は彼に引っ張られるままバーに戻ることはなかったらしい。
 
二人は違う町か都市に移動し、一緒に暮らしていたようだ。
ジャックは私に対して、「性的に不能だ」ということで抱くことはなかったらしい。
それでも、私は彼を気に入って、一緒にいたようだ。
彼が本当に性的に不能かどうかは確かめなかったので判らなかったようだが、
彼のほうは気に病んで
「誰か他のやつのところに行った方が良い」
と言ったこともあった。
キスはよくしていた。
 
「どうして連れ出してくれたの」と訊くと
「本当は自分ひとりで町を出るつもりが、一人で出て行く勇気がなかったからだ」
ということだった。
 
老いたり死んだりするところまでは見えなかった。
二人で並んで私は右にいて、
彼の右肩に頭を乗せて、右腕で抱きしめてもらうのが好きだった。
 
 
後から思うとジャックはインターセクシャル性同一性障害か何かだったのかもしれない。
サーシャは男性の名前だと思っていたが、どうなんだろうか・・・。
サーシャはちょっと天然ボケのきつい人であったようだが(そのせいでジャックに苦労させ(苦笑)、バーの親父にいいように使われていた)、
おかげで誰かを強く恨んだり憎んだりしなくて済んだようだ。
考えることだけが自分を助ける技術ではないのだろうな。