和解後の注意点

親と和解したワタクシですが、
気をつけていることがあります。
 

  • 親は変わってないことを、忘れないこと。
  • 私が許したのは両親の現存在そのもので、過去ではないこと。
  • 私が体験した過去を、無かったことにするわけではないこと。

 
これは、非常に重要なことだと思う。
今の私は、今までの私で成り立っている。
もちろん、これから多くの変化を繰り返してゆく。
過去は過去のことだ。
しかし、それを無かったことにするというのは、全く別の話だ。
 
私は生きてゆくし、両親も生きてゆく。
そして死ぬ。
生きている人は皆、死にゆく末期患者だ。
誰も死んでゆくことをとめられない。
どうやって生きてゆくかということはとても大切だ。
だから、未来はもっと良くなって行くことを信じる。
今日も一枚、明日も一枚とさまざまな色のセロファンを重ねていって最後に見える色が、私になる。
もしくは、一本ずつの糸を合わせて出来た織物が私になる。
今までのものは否定しない。
もう否定しない、と自分に言う。
なにもかも、あったことだ。
起こったことだ。
憎しみも、悲しみも、怒りも、憤りも、すべてあった。
それが私を作ってきた。
それが私の土台だ。
それを否定しない。
 
和解したというと、すべて無かったことにして、過去を書き換えたくなる。
でも、そうすると、苦しんできた自分の歴史を消してしまうことになる。
人類の、地球の歴史からすればほんの僅かな私の歴史を、
私が消してしまったら、一体誰が覚えているというのだろうか。
 
だから、私は忘れない。
否定しない。
無理に慈しんだりしない。
変わりに、その過去を耐え忍んできた自分自身に、感謝しよう。
よく死なないで、ここまで生きてきた。
あの柵を、飛び越えるのを堪えて、よく生きてきた。
みっともなさに、よく耐えてきた。
あの罵倒を、あの屈辱を、よく飲み込んできた。
あのホームから、飛び出さずに、よく生きてきた。
 
これからが、良い人生だ。
もう、否定しない。
私を育んだ土壌を、忘れない。