集団の中の一であること

はい、今回の内容はネタばれありです。ご注意。
主にNATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2007年 07月号 [雑誌]西島秀俊―新世紀のスピリチュアル・アクターズシリーズ (キネ旬ムック―アクターズ・ファイル)関連から。
 
先日、書こうと思ってなんか形にできなかったからやめたんだよね。
でも、よく考えたらこのブログ(?)って日記だから、
まあいいか、と思い直してみました。

 
そんなことを思っていたら、
一昨日、西島秀俊の本が来まして、読んでました。
まあ、この人って、頑固だな。私が言うのもなんだが。
この本を読む限りはそんな感じ。
自分に誠実で、頑固だ。
 
何でこの二冊か、というと、
「自分として立つ」
ということにヒントをくれたからです。
 
ナショナルジオグラフィックの表紙にある「マラリア」も物凄いのですが、
この号の中に「群れのセオリー」という記事があり、そっちの話。
西島秀俊本については、まあ、映画関連の色々の話。
両方とも本が手元にないので、うろ覚えで話します。
 
「群れのセオリー」の中で、蟻や鯵の群れがまるでひとつの生命体のように行動すること、
その行動によって、非常に高度な情報処理(特に餌の収集、危険回避)を行うことについてあった。
そういった行動を解析することで、人間の経済に採用すると大きな利を上げることができる。
そんな話。
 
ありんこ一匹はアホ。でもありんこの群れは猛烈に賢い。
アジだって、やっていることはたった三つ。「仲間から離れない、同じ方向に動く、仲間とぶつからない」
にもかかわらず、その群れはまるで巨大な生き物のように動く。
ここで重要なのは、「群れを形成する各々が、責任を持って各々で判断し行動すること」であるとしている。
人間でも、同じことが言える、としている。


これって、「群れであることを信頼し、責任と信頼をもって個人であることを受け入れる」ことか?
米原万里の本に、女性や男性の異性の選択の話があって、無意識にも人は社会の影響を受けているとか
生き残ることに対してちゃんと判断しているみたいなことがあったけど。
 
そんなことを考えていた後に、西島秀俊の本を読んだのでした。
本というか、なんというかあれは。ムック誌。
初めはただでれでれしながら読んでいたのだが、読むうちにどうも、
この人の立ち方が気になってきた。
ただ在ることにしている、というか。
「映画だと、どう演じても好きなように切られるから、何も考えてません」
みたいな事を言っている。
何も考えてないわけないじゃろう!あの演技で・・・。
自分が語ることじゃないと思っているのか、自分を語ることは仕事じゃないと思っているのか。
そんな感じなのかなぁ、と。
色々読んでいくと、
言外に
「みんなちゃんとやってるんだから、自分は自分のことをやれば後はいい」
みたいな様子でいるような感じを受けた。
うーむ。
ま、感想ですけど。
 
 
以前の私というのは、集団の中に埋没するというのはとても恐ろしかった。
集団というものは自分を攻撃してくるもので、危険であるという思い込みがあった。
まあ、そういう経験があったからですけど。
自分を守ってくれるものではない、と。
安全さは集団の中にいてはないと思っていた。
自分であることが許されないのが集団であると。
特出した何かをもっていなければ、存在していけないという恐怖心と、
何か人と違うものをひとつでも持っていたら、殺される
みたいな。
殺されるって、凄い表現だけど精神的にね。
「あなた」では居ないで下さい、みたいな。
それであって、「あなた」の長所(個性)が必要です、っていう矛盾を求められていると。
 
まあ、思い込みですが。
思い込みだとわかっただけでも儲けものですが。
 
西島秀俊の本で、黒澤清監督との対談のところを読んでいて、「なんか、掴んだ」と思ったのです。
何だったのか、まだはっきりしないけど、まあ、そういうことです。
 
仮説

  • 人間は、群として生きている。
  • 群であることは、より大きな生き物として生きる知恵のひとつである。
  • より知恵の在る群であるためには、「個人」であることに自覚し、責任を持つ。
  • 自らが「個人である」ことを尊重し、自ら考えて、自らの判断で生きる。
  • 「個人であること」が「群」である種を支えている。
  • 他者も、群を形成する「個人」であることを忘れない。
  • 「群」というものが、ひとつの生き物であるといえる。

 
あれ?
これって、また所謂スピリチュアルな人が言う「ワンネス」のことか・・・。
まあ、私自身は地球という生き物と生きる腸内細菌みたいなものなのかなあ、と時々思います。
 
 

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

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