前?263年、人生の逃亡者

紐でぐるぐる巻きにするタイプのサンダルを履いている。
よく、ギリシャの彫像とかにある、ビロビロ〜っとした服を着ている。
袖が無く、すそが長い感じのやつだ。
グレーの斑のある、白馬が顔を擦り付けてくる。
遠くに、雪を被っているような岩山が見える。
目の前の草原に、馬に跨って駆け出す。
心は軽い。
 
場面が変わる。
私は、何かの役目を果たさず逃げ出して、
それを果たさず、またそれを隠し、
家族を持ったようだった。
ブラウンの巻き毛の妻がおり、黒髪の巻き毛の息子(10歳ぐらいか)、
さらに幼い双子の娘が居る。
 
役目は、どうやら長距離の旅を要するものだったようだ。
私自身は、地位の高い人の息子だったらしい。
しかし、そのどちらも、責任からもすべて逃げ出してしまったようだ。
 
また場面が変わる。
私は、右肩に深い傷を負っている。
切れ込みが残っているので、刃物か何かによるもののようだ。
赤黒い血が見える。
どうやら、息子が何かの拍子に私に怪我をさせてしまったらしい。
息子が、倒れそうなほど青い顔をして私をみている。
 
家族に見守られながら、
私は言わなければならないことを残しているんだ、
と思いながら脂汗を流している。
家族に、いつか私を探す使者が来るかもしれないこと、
息子に、私が例え死んでもそのことで苦しんではいけない、
私は息子を責めたりしないと言わなければ・・・。
というところで終わった。
息子はしかし、私の死で苦しむだろう、という思いが残った。