目を覚ませ

フォーカシングのためのフォーカシング。
何か出てきて、というと、
胴の短い、間抜けな顔の竜の張りぼてが出てきた。
頭が三つに分かれている。
それが、中華街の蛇おどりのようにくねくねする。
意識としての私は、出てくるものに同化せずに観ている。
 
その場面に、ポーン、と一人の人間が踊りでる。
中国っぽいズボンと上着を着た、私の姿をしたものである。
じゃおどりと一緒に、嬉しそうにぴょんぴょん飛びまわっている。
暫くすると、張りぼての竜にしっぽの方から炎が上がる。
あっという間に炎だけに変わり、それを操るように私が手を振ると、鳳凰が現れる。
鳳凰が空中を舞う。
羽をあおると、きらきらと光の粉が虹色に輝いてあらわれては、消える。
光の粉は小さな炎に変わり、私が手を一振りすると、またそれも炎と変わる。
鳳凰はまるで何か心地よいものに包まれるような表情をして、消えてゆく。
ひときわ大きな炎をあげると、私はショーは終わり、とでもいうように、深く礼をした。
 
すると、その前に昔の中国の天女みたいな人が玉座のようなところに座っている。
豊かさや、健康的な色っぽさとか、高貴な感じを受ける。
彼女は微笑みながら、私の姿をしたものに
「実におまえらしい」
といって、そのショーのようなものをほめた。そして
「もういい加減、目を覚ませ」
といって、私の姿をしたものに指さした。
そのとき、私の姿をしたものと私の意識は同化した。