蝶の群れ

ある人に、コンタクトをとってみようかなぁ、と思った。
こちらからすれば、かなり色々な情報が手に入っている相手なのだが、
相手は私のことは一切知らない。
私という存在があることも、おそらく知らない。
 
関係性のフォーカシングをたまにやるが、
その中で、相手になってみる、というのが面白い。
相手になってみて、自分はいったいどういったものとして認識しているのか、というフォーカシング。
これは、本当に相手からそう見えているのかもしれないし、
私が、相手は私をこういう姿としてとらえている、という認識が現れるのかもしれない。
でも面白いのだが、
「こいつは絶対私のことをどうしようもない馬鹿だと思っておる!」
という被害者意識丸出しでフォーカシングを始めたとしても、そのままの状態であらわれる、というのは殆どない。
もっと色々な感情があることが多いし、大体、違う結果が見える。
しかし自分を安全な領域に持っていくための操作なのかもしれない。
本当のことは何もわからないあたりが、面白さかもしれない。
しかし、真偽は関係なく、心は落ち着いてゆくし、
何故か納得してしまうのが不思議なところだ。
 

前述のような、私のことを全く知らない(であろう)相手から見たフォーカシングは一体どうなるのだろう、と思った。
なので、やってみた。
 
その人の、目線の先に、一匹の蝶がひらひらしている。
モンシロチョウぐらいのサイズの蝶で、虹色に羽がきらめいている。
それが、私のようだ。
 
あれ?と思い蝶に眼をやる。
蝶がいるなと思って目をやると、そこには無数にいる。
大きさも、形も色もさまざまで、たくさんの蝶が羽をきらめかせてホバリングしている。
「きれいだなぁ」
と思わずつぶやく。
ああ、可能性は無限なのだ・・・と思い、蝶の群れを見てうっとりする。
これが、多様性というものだ、人々という宝の形だ、と思う。
 
うーむ。
面白い。