金の繭

瞑想でもするかぁ、と思い、ぼへーっとしていたら
随分会っていないAさんのイメージが出てきた。
おお、なんだなんだー、サインかな?と思い
そのままフォーカシングへ移行。
Aさんはにこにこしたまま向こうの方へ歩いてゆく。
私を振り返りながら、手を振って歩いていく。
私も手を振り返す。
さよなら、さよなら。
Aさんは去っていくと、毛布を引っ張り上げるように周りが一気に夜になる。
その夜に、星がきらきらと光っている。
まるで舞台の上か、紙芝居のような星空だ。
と、思っていると、
五芒星の巨大ちくわぶみたいな宇宙船が、
その星の一つから降ってきて、ドーン、と道路に突き刺さった。
そのちくわぶ宇宙船から、Bさんが出てきて、
「この本すごくいいから、はい、どうぞ」
と言って笑顔で私に渡して、じゃあまた、と宇宙船に戻った。
しかし、宇宙船は道路にめり込んでいるので、
その尾っぽみたいなところを私が怪力の人のように押して、
地面からボコッと外した。
エンジンも初めはかからないようで、
「空に向かって投げて〜」
と言われたので、右手でつかみ上げて、空に向かって放った。
すると、ちくわぶ宇宙船はかなたに消えていった。
じゃーね〜、またそのうち、ばいばーい。
手を振った。
すると、私の肩にポン、と手を乗せる人がいた。
Cさんだった。
差し出された左手を右手でとって、歩き始めた。
「これからはちゃんと手を繋いでいこうね」
と言われて、そうそう、そうだね、と思い、頷いた。
てくてく歩きながら、何か変わらないなぁ、と思うと、
「変化して、失うなんて思ってるんじゃない?それってただの思い込みだよ。
何も手にしていないし、何も失うことはないってわかっているだろうに、ダサーイ」
と、自分の体の内側から、フェルトセンスのようなものに言われる/汗。
私はCさんと繋いでいる手を基点に、粘着質のアメーバのようなものになる。
フェルトセンスのコメントに、「わかっているけど」と言い続ける粘着物の私。
フェルトセンスは、大丈夫だからもう任せてしまえよ、というようなことをいう。
今気付いたけどフェルトセンスが何重にもなって出てきている状態だな、これ。
だんだんと、大丈夫なんだなという意識になってくると、
粘着物だった私は、蝶の姿になる。
Cさんの腕にとまって、パタパタパタ、と羽を動かす。
「もっと大きい私へ」という声がする。
羽ばたいていると、背中が割れて、金色の大きな二枚の鳥の翼が現れる。
それはぐんぐん大きくなり、宇宙へはみ出す。
地球の半分ぐらいの大きさになり、大きく羽ばたくと(羽だけの状態)、金色の粉がばあーっと散って、
地球にかかり、そのほかは宇宙へ拡散していく。
ちょうど背中の少し上のあたりに、月があるのが分かる。
しばらく羽ばたくと、粘着物か、木の枝かというようなもので出来た足を地球に掛ける。
金色の大きな羽は、背中の方に向かって、くるくると丸まっていき、
金色の大きな繭になった。
 
繭になったなぁ、と思っていると、
しゃがんでいる裸の自分の姿と重なった。
その自分の背中に、切り込みを入れたようにぴーっと背骨にそって線が入り、
そこからデビルマンの女バージョンの白い色になったやつみたいな人が
「誰も見てないよね?」みたいな様子で出てきた。
それが出ていくと、
今度は黒いバージョンの奴がまた、こっそりという感じで出てきた。
二人は、私から出て道路に出ていき、そのまま去ろうとするが、
外にいるのが不安になったのか、こりゃまずい、
という感じで、二人して私のところに帰ってきて
また二人とも私の中に戻った。
切れ目は、ファスナーになっていてそれを内側から上げて閉めた。
「やっぱり、ここにいるってことにしたしなあ」みたいな話を二人はしていた。
私の中は狭いので、人間の形としては変な風にこぶが出来たりしていた。
次第に二人はぐるぐると混ざっていき、
しばらくすると変な膨張部分もなくなって、元に戻った。