地球と握手

関係性のフォーカシング
 
私達は向き合って立つ。
相手が、私にナイフか何かで縦に切れ目を入れ、
私の体を剥くと(バナナを剥くみたいだな、とその時思った)、
光の私が現れた。
その私は、顔も何もなく、手足頭胴体があるだけの、ピクトさんみたいな姿だ。
光だけに、眩しくて見えないというよりも、光がその形になっているだけという感じ。
私は、黄色みがかった白熱灯のような色の光だ。
今度は私が相手に切れ目を入れて、体を剥くと、相手も中身の光が現れた。
相手は、青みがかった光をしている。
相手も、顔を含む外見的な特徴はもうない。
私が脱いだ体が落ちていて、相手がそれを拾って私に渡してくれる。
脱いだままになっているパジャマみたいなことになっている。
私はそれを丸めて、左手に乗せ、燃やすと、桃色と紫がかった虹色の炎になり、
炎の端から燃え上って金色の粉になり、私に一部が帰り、
残りは下の方に散っていった。
光になった私たちはくるくる回ってしばらく遊んだ。
ああ、光なんだ、と思うととても安心した。
なんだ、なにも心配することはなかったんだ、
今までも、ずっと光だったんだ、あれを着ていただけなんだ、と思った。
足元を見ると、物凄い数の人の形をした光が、川の流れのように流れていた。
さっき落ちていった金色の粉は、あの流れの中に帰って行ったんだ、と感じた。
相手と手を繋ぐと、そこが光の粒子がまじりあって、相手の光が流れてきた。
私の光も相手の中に流れて行き、光の交換が行われた。
とても幸せな気分だった。
両腕を広げて抱きしめようとすると、触れたところから混じっていった。
そのまま前に進むと、私の中を相手が透過し、私も相手の中を透過した。
通り抜けてしまうと、私の中に相手の粒子が残っており、私も貰った分だけ
相手の中に自分の光の粒子を残してきたことを感じた。
見上げると、宇宙に体が半分ぐらい出ていて、
地球は私から見てエクササイズに使う大きいゴムボール(直径1mくらい?)くらいの大きさだった。
私は隙間のあるつぶつぶの光の粒子が集まったものになっていた。
地球の上に座っていると、地球から手が伸びてきて、私の左手をつかんだ。
とても温かい、強く優しい肯定の感情が私に流れ込んできた。
顔を上にあげると、すぐそこにバレーボール大の月があり、
私の額から上ぐらいが月に入った。
風呂につかった時のような、満たされていて、何もかも充分だ、という感じそのものになった。
 
 
・・・あれ?相手は、どこに置いてきたんだ/笑。