あなたを送ることを選択しよう

今日、亡き従兄の最後の主治医に会ってきた。
学内でセミナーがあり、いろんなものが重なって、その人の話を聞くことになった。
 
 
ああ、これでは彼は死ぬことになるしかなかったのかも知れない、という印象も受けた。
彼は心臓疾患で亡くなった。
ストレスに抱かれて、亡くなったのだ。
 
帰り道、自分の中にもやもやとした思いが発生したので、ソレと向き合ってみた。
その時の私は、遺族なのだと叫びたい自分に気付いた。
そして、従兄の死を誰かのせいにしたがっていた自分に
その人を責めたいという思いのある自分に
罪を責めて従兄を返してもらいたいと思っている自分に
そうした傷を持ち歩いていた自分に
気付いた。
 
私はまだ、従兄の死を認めて居なかったのだ、と気付いた。
もう完全に滅したのだと、もう無いのだと、自分の深い部分が認めて居なかったと気付いた。
 
もう、本当に、何もかもないのだ。
 
 
傷を持ち歩くと、また無闇に傷付く。
そんなことはもうやめよう。
他のことでも、もうやめよう。
 
そして私は今度こそ、本当に、従兄の死を受け入れよう。
もし魂というものがあるとしたら、私は無意識にでも、彼を引き留めていたかも知れないと感じる。
もしそうだったら、本当にごめんなさい。
そして私は今度こそ、彼を送ると選択する。
ありがとう、さよなら。 
本当にさよなら。
おやすみなさい。